Go Azure 2日目に参加しました

Go Azure2日目に参加しました。1日目についてはこちらを。

2日目はJapan Windows Azure User Group (JAZ)が中心となったコミュニティのセッションやハンズオンセミナーが行われました。自分は金曜日のマイクロソフトのセッションよりも、土曜日のセッションを楽しみにして来ました。初日よりも参加人数が少なかったですね、平日にマイクロソフトの社員の話を聞くことを目的とした人が多かったんでしょうか。スーツで参加した人が多かった(ほとんど)でしたし。

キーノートは初日の振り返り。Blobストレージにhtml+jsのような静的なファイルを置いて究極のスケールサイトが作れるという話が印象に残りました。確かにBlobストレージはHTTPでアクセスできるので可能ですよね。

午後からはずっと「クラウド開発トラック」部屋に閉じ篭ってました。

TFS on Azure で始めるイマドキのソフトウェア開発

TFSの歴史とAzure上のTeam Foundationのお話です。TFSの適用範囲の拡大、クラウド上にTFSがあることのメリットの説明。そして開発プロセス、ソフトウェア開発の目的の重要性のお話でした。

この5年で開発を支援するツールはプロセスとともに大幅に進化しました、ただ人間はそんなに進化してません(自分の見える範囲では)。

  • 計画は作ってみるものの、やってみなければそれができるかどうかわかりません。
  • やってみたらできませんでした、計画をどう変更していいかわかりません。
  • 計画を変更してみたものの、それができるかどうかはやってみなければわかりません。
  • 計画を立ててみたものの、絶対にこんな計画ではうまくいきません。
  • 計画通りにはいっていないけど、やるしかない!

とか

  • この技術やったことないので、できません
  • やり始めてみたものの、どうやったらうまく行くのかわかりません
  • なんかよくわからないけど、サンプルをコピったら動きました
  • なんかよくわからないけど、変えてみたら動かなくなった
  • 何にも変えてないんですけど(本当は何か変更してる)、なぜか動かなくなった

とかとか。そんなことを考えたらネガティブな気分になってしまいました。ツールもプロセスも進化してるんですけど、人間が進化してないのでその進化に対応ができないんですよね。プロジェクトに10人いたら、1人はプロセスの適用方法であったり、ツールの運用であったり開発技術に追随できているでしょうが、残りの9人はどう計画を立てたらいいのか、どう開発をしたらいいのかわからない有象無象の人の印象です。(自分の周りは)

ツール・プロセスの進化を啓蒙することは非常に重要ですし、進化させることは非常に重要なんですが、現場は「計画通りでなくても、プロセスに則っていなくても動く・納品可能なソフトウェアをとにかくつくること」「実際はプロセスに則っていなくても、プロセスに則っていることを証明するためのエビデンスを作成する」ことに力を注いでいます。何とももどかしいです。TFSとかScrumとかは都市伝説じゃないか(現実にはツールを使ってScrumを適用している現場なんて存在しないんじゃないか)と思ったりしてしまいます。

すいません、ネガティブになりすぎたのでここらで終わらせます。ツールやプロセスの進化に追随できる人間になりたいです、はい。

One ASP.NET – ASP.NET Web Stack

一人のファンとして「キャー! シバヤンサーン!!」という気分でした。こういう方にはオーディエンズを置き去りにするようなセッションをやってほしいですよね。

「オラ!オレのテールに食らいついてこい!!」

ってやつを。「ASP.NET WebFormとは」とか「ASP.NET MVC とは」とか「SignalRとは」をお話させるのはもったいないです。そんなことは全部知っている前提で、技術的にもっともっともっともっと尖った話が聞きたいです。ブログを読んでいるとそういったことを知っている方なので。そういった場を作りたいですね。

懇親会でお会いすることができました、やっぱり「あ、あのクラウディアを嫁っていってる人」と思われてました…間違ってはいませんが。

AWS のクラウド デザイン パターンを Windows Azure に持ってきてみた

Windows Azureを使用したクラウドデザインパターンの適用方法のお話。1イベントのプレゼンテーションとしてSlideShareに公開するだけじゃなくて、JAZのコンテンツとしてサイトに公開してもいいんじゃないでしょうか。もっと検索エンジンから探しやすく、アクセスしやすい形にして残して欲しいなぁと思いました。大変な作業だと思いますが、それだけの価値があると思います。

クラウド上のデザインの話は断片的にブログなどで紹介されてる方もいらっしゃいますが、これだけ体系的にまとめられている資料はもっともっと多くの人の目に触れられるようになってほしいです。

ネットワーキングパーティー

転職活動とか、他のコミュニティでお会いした方と少々ですが声を書けることができました。2~3回「クラウディアの方ですよね?」と声をかけられましたが、「あ…はい…」とつれない返事をして3次元の名前を名乗らずにごめんなさい。あと、ムッシュさんと同世代だったことが新しい発見でした。

最後に、きちんとミッションをコンプリートしました。

Experience of Windows Azure is priceless(1)

DVC00012

Experience of Windows Azure is priceless(2)

DVC00013

このイベントの準備・当日の運営に関わった方、本当にお疲れ様でした&ありがとうございました。自分はブログ書くことと写真撮って(・∀・)ニヤニヤすることしか出来ませんが、本当に勉強になりましたし、楽しかったです。

Go Azureに参加しました

日本でのWindows Azureのイベント「Go Azure」に参加しました。

image

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windowsazure/jj129528#top

ずっとJAZUG主催のコミュニティイベントだと思っていたら、マイクロソフト主催の営業イベントでしたw 受付で

「名刺をだせ」(超意訳)

と言われたので

「働いてねぇよウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!」(コミュニティイベントだと思っていたので名刺を持ってきてない)

と受付のお姉さんを困らせました。ごめんなさい。現地は異様なスーツ率&男子率でした、ルナルナのCMが虚しく響くレベルでした。1日目のセッションはMSの社員による Meet Windows Azure で発表されたAzureの新機能紹介でした。

では、セッションごとに感想を。

Opening & Keynote クラウド利用のあらゆるニーズに応える Windows Azure の進化

OP映像で会場が一体となりスタンディングオベーション(嘘) 早く動画を公開して欲しいですね。

キーノートセッションなのに、何か頼りない感じ。デモも観ているこっちがヒヤヒヤするし、偉い人だから普段Azureを使うことはないんだろうなぁ、と感じさせるようなセッションでした。それに対して、砂金さん、井上章さん、高添さんはプレゼン&デモ慣れしてて見てるこっちも安心できました。

印象に残ったことはデジタルハリウッドの3DCGレンダリングの実証実験の事例です、20コアのリソースをクラウドに用意して映像作成を行うというものですが、手元に準備することが難しい巨大なリソースを準備するのはクラウドに向いてますね。ダメだったら使った分だけ払って辞められますし。

「Microsoft(R) Windows Azure(TM)」 を活用したレンダリング実証実験 ~クラウド活用による、制作期間&コストの大幅削減~ 学習環境への導入とデジタルコンテンツ産業の支援を目指す

新ポータルのローカライズについてですが、もうローカライズしなくてもいいと思うんですよ。英語の概念なんですから英語のまま理解すればいいんですよ。新ポータルに慣れてしまったので、しょーもない間違った日本語にローカライズされるくらいなら英語のままの方がいいです。HTMLベースのポータルになっただけではなく、クラシックWebアプリではなくモダンWebアプリに変わったためにとても使いやすいです。GmailのようなSPA的サイトになっているので、デベロッパ的には時間を作ってJavaScriptのソースを読んでみたいですね。Virtual Machineを作成するときのウィザードのようなページはJavaScriptでどうやって実現しているのか興味津津です。

あと、デモでAzure Virtual Machinesの仮想マシンにリモートデスクトップに接続するときの動きがもの凄くスムーズでした。自分のWebロール(XS)はあんなにスムーズじゃない…XSだからでしょうか。デモを見ているとインターネット越しにリモートデスクトップ接続しているとは思えないほどスムーズでした。

Technical Session #1

新機能 "Web サイト" で実現する Web アプリケーション高速開発

この資料見てください。Webサイトの構成図の説明がありました。資料はこちらで公開されています。

image

単純にIISのサイトをどんどん追加してるわけではないよな、と思っていたらこういう構成になっていたんですね。WebサイトのコンテンツがAzureドライブに保存されていたのは意外でした。確かにローカルのドライブに置いていたらサーバーに障害があった場合に消えてしまいますし。Azureドライブを使用すると(たぶん)自動的に多重レプリケーションされるメリットもあるのでしょう。I/Oパフォーマンスがどうかは分かりませんが。

あと、MySQLは「ClearDB」という外部のサービスを使っているんですね。さすがにマイクロソフトだけで提供はしないか。WebサイトもWebロールと同様にスケールアップ・スケールアウトできますが、MySQLがボトルネックになりそう。やっぱり規模が大きくなったら、Webロール+Azure SQL Databaseに移行するか、MySQLを高スペックのIaaSで動かすしかないのかな。

あと、WebForm大好きですね。デモのときはMVC使ってほしいな。

最後に、語られなかったWebサイトのメリットがプレゼンテーションに。

image

そう、WebサイトはClassisASPの移行も対応してるんです!VB6がWindows8で動作することも発表されたようですし、VB6/ClassicASPは滅びませんよ。.NET1.0/1.1はもうほぼ滅びましたがw

Special Session

マイクロソフトは本当にオープン ソースに対してオープンか?

たまたま.NETラボ勉強会で同じテーマで話す機会があったので、実は今日一番楽しみにしていたセッションでした。

Azureがオープンであることがとても強調されていますが(キーノートでも「究極のオープンクラウドサービス」というキーワードが出ていました)、「オープンであること」自体が目的ではありません。多くの人がWindows Azureを使って、マイクロソフトに利益が出すことが目的です。慈善事業ではなくて営利企業ですから。

多くの人がWindows Azureを使おうと思うためにはオープンであることが1つの基準になります。クラウドのプラットフォームなので具体的には

  • 多くの選択肢が提供されていること
  • 多くのアプリケーション/ミドルウェアが動作すること

だと思います。選択肢については

  • IaaS(Virtual Machine) / PasS(WebRole / WorkerRole / WebSite)
  • SDK (.NET / Java / PHP / Python / Node.js) (Windows / Linux / Mac)
  • VM用OS (Windows / Linux)
  • データ(Blob / Table / SQL Database / MySQL)

と、ユーザーが迷うほどの選択肢が用意されています。(ユーザーからのフィードバックをもとに選択肢を増やしているのですが)

Azure上で動作するアプリケーションについては、以下のブログで色々と言及されています。

Openness Update for Windows Azure

A New Milestone For Openness On Windows Azure

クラウドサービスではマイクロソフトは後発ですし、クラウドで成功しなければ未来はないと考えているでしょうから必死ですよね。Linuxで動作する素晴らしいソフトウェがあれば、エンジニアをだしてWindows / Windows Azureで動作するように協力しています。Windows Azureはプラットフォームですから、その上で動作するものはWindows Server + .NETでなくてもいいんでしょうね(本当は使って欲しいでしょうけど)

マイクロソフトがオープンソースに対してオープンかと言われれば、マイクロソフトにとって利益になるから、つまり、多くのユーザーがWindows Azureを利用してクラウドの勝者になって世界のコンピューティングの覇権を制することができるから、オープンになっているのだと思います。単なる慈善事業ではないのでしょう。したたかに自社の利益のために協力できるとことは協力しているのでしょう。

もちろん、オープンソースに協力することでイメージ戦略もあるのでしょうが、それはオマケでしょう。

マイクロソフト社員がクラウド上のCentOS+GlassFish+MySQLで動くJavaアプリをライブコーディング姿はシュールでした。まさにオープン厨でした。

明日も参加します、一生懸命ステルスします。クラウド開発トラックに篭る予定です。