日本でのWindows Azureのイベント「Go Azure」に参加しました。
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windowsazure/jj129528#top
ずっとJAZUG主催のコミュニティイベントだと思っていたら、マイクロソフト主催の営業イベントでしたw 受付で
「名刺をだせ」(超意訳)
と言われたので
「働いてねぇよウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!」(コミュニティイベントだと思っていたので名刺を持ってきてない)
と受付のお姉さんを困らせました。ごめんなさい。現地は異様なスーツ率&男子率でした、ルナルナのCMが虚しく響くレベルでした。1日目のセッションはMSの社員による Meet Windows Azure で発表されたAzureの新機能紹介でした。
では、セッションごとに感想を。
Opening & Keynote クラウド利用のあらゆるニーズに応える Windows Azure の進化
OP映像で会場が一体となりスタンディングオベーション(嘘) 早く動画を公開して欲しいですね。
キーノートセッションなのに、何か頼りない感じ。デモも観ているこっちがヒヤヒヤするし、偉い人だから普段Azureを使うことはないんだろうなぁ、と感じさせるようなセッションでした。それに対して、砂金さん、井上章さん、高添さんはプレゼン&デモ慣れしてて見てるこっちも安心できました。
印象に残ったことはデジタルハリウッドの3DCGレンダリングの実証実験の事例です、20コアのリソースをクラウドに用意して映像作成を行うというものですが、手元に準備することが難しい巨大なリソースを準備するのはクラウドに向いてますね。ダメだったら使った分だけ払って辞められますし。
新ポータルのローカライズについてですが、もうローカライズしなくてもいいと思うんですよ。英語の概念なんですから英語のまま理解すればいいんですよ。新ポータルに慣れてしまったので、しょーもない間違った日本語にローカライズされるくらいなら英語のままの方がいいです。HTMLベースのポータルになっただけではなく、クラシックWebアプリではなくモダンWebアプリに変わったためにとても使いやすいです。GmailのようなSPA的サイトになっているので、デベロッパ的には時間を作ってJavaScriptのソースを読んでみたいですね。Virtual Machineを作成するときのウィザードのようなページはJavaScriptでどうやって実現しているのか興味津津です。
あと、デモでAzure Virtual Machinesの仮想マシンにリモートデスクトップに接続するときの動きがもの凄くスムーズでした。自分のWebロール(XS)はあんなにスムーズじゃない…XSだからでしょうか。デモを見ているとインターネット越しにリモートデスクトップ接続しているとは思えないほどスムーズでした。
Technical Session #1
新機能 "Web サイト" で実現する Web アプリケーション高速開発
この資料見てください。Webサイトの構成図の説明がありました。資料はこちらで公開されています。
単純にIISのサイトをどんどん追加してるわけではないよな、と思っていたらこういう構成になっていたんですね。WebサイトのコンテンツがAzureドライブに保存されていたのは意外でした。確かにローカルのドライブに置いていたらサーバーに障害があった場合に消えてしまいますし。Azureドライブを使用すると(たぶん)自動的に多重レプリケーションされるメリットもあるのでしょう。I/Oパフォーマンスがどうかは分かりませんが。
あと、MySQLは「ClearDB」という外部のサービスを使っているんですね。さすがにマイクロソフトだけで提供はしないか。WebサイトもWebロールと同様にスケールアップ・スケールアウトできますが、MySQLがボトルネックになりそう。やっぱり規模が大きくなったら、Webロール+Azure SQL Databaseに移行するか、MySQLを高スペックのIaaSで動かすしかないのかな。
あと、WebForm大好きですね。デモのときはMVC使ってほしいな。
最後に、語られなかったWebサイトのメリットがプレゼンテーションに。
そう、WebサイトはClassisASPの移行も対応してるんです!VB6がWindows8で動作することも発表されたようですし、VB6/ClassicASPは滅びませんよ。.NET1.0/1.1はもうほぼ滅びましたがw
Special Session
マイクロソフトは本当にオープン ソースに対してオープンか?
たまたま.NETラボ勉強会で同じテーマで話す機会があったので、実は今日一番楽しみにしていたセッションでした。
Azureがオープンであることがとても強調されていますが(キーノートでも「究極のオープンクラウドサービス」というキーワードが出ていました)、「オープンであること」自体が目的ではありません。多くの人がWindows Azureを使って、マイクロソフトに利益が出すことが目的です。慈善事業ではなくて営利企業ですから。
多くの人がWindows Azureを使おうと思うためにはオープンであることが1つの基準になります。クラウドのプラットフォームなので具体的には
- 多くの選択肢が提供されていること
- 多くのアプリケーション/ミドルウェアが動作すること
だと思います。選択肢については
- IaaS(Virtual Machine) / PasS(WebRole / WorkerRole / WebSite)
- SDK (.NET / Java / PHP / Python / Node.js) (Windows / Linux / Mac)
- VM用OS (Windows / Linux)
- データ(Blob / Table / SQL Database / MySQL)
と、ユーザーが迷うほどの選択肢が用意されています。(ユーザーからのフィードバックをもとに選択肢を増やしているのですが)
Azure上で動作するアプリケーションについては、以下のブログで色々と言及されています。
Openness Update for Windows Azure
A New Milestone For Openness On Windows Azure
クラウドサービスではマイクロソフトは後発ですし、クラウドで成功しなければ未来はないと考えているでしょうから必死ですよね。Linuxで動作する素晴らしいソフトウェがあれば、エンジニアをだしてWindows / Windows Azureで動作するように協力しています。Windows Azureはプラットフォームですから、その上で動作するものはWindows Server + .NETでなくてもいいんでしょうね(本当は使って欲しいでしょうけど)
マイクロソフトがオープンソースに対してオープンかと言われれば、マイクロソフトにとって利益になるから、つまり、多くのユーザーがWindows Azureを利用してクラウドの勝者になって世界のコンピューティングの覇権を制することができるから、オープンになっているのだと思います。単なる慈善事業ではないのでしょう。したたかに自社の利益のために協力できるとことは協力しているのでしょう。
もちろん、オープンソースに協力することでイメージ戦略もあるのでしょうが、それはオマケでしょう。
マイクロソフト社員がクラウド上のCentOS+GlassFish+MySQLで動くJavaアプリをライブコーディング姿はシュールでした。まさにオープン厨でした。
明日も参加します、一生懸命ステルスします。クラウド開発トラックに篭る予定です。