7月31日をもって10年勤めた会社を退職しました。8月1日から新しい会社で働きます。
社員数2,000人超の中堅SIerを辞めて社員400人くらいの会社へ転職するので、いろんな方に「もったいない」と言われましたが、自分の中ではこの会社に継続して勤めることがもったいないと感じたので転職することにしました。
前の会社(部署)はゆるくてぬるくてMAXパワーの半分程度を出すと仕事が片付いてしまいます。10年戦士となるとサラリーマンとしての技術的なスキルはピークに達するので、他の人ではできなくても自分ではできることが多くなって評価があがります。あとは管理職になって腹八分目で仕事をしていけばある程度は昇進できるような未来が見えました。サラリーマンですからエンジニアの理想よりも、よりリスクを抑えて利益が大きくなる方法を考えていけばいいんです。新しい技術は趣味程度にさらっと追いかけていけばいいんです、客から言われなければ無理に導入する必要はないんです、必要になれば部下に「やれ!」って言えばいいんです。自分の仕事じゃないし、そのほうがリスクを抑えられる。そうやってあと30~35年サラリーマンをだらだら続けていけば、一応1部上場の企業なのでそれなりに給料がもらえる最後の世代だと思っています。自分たちは海外との競争から逃げ切れる最後の世代だと感じています。
その一方で、社外のエンジニアの方と知り合う、Twitterやブログで一方的に知る機会がこの2年くらいで一気に増えました。外には化け物のような(自分よりもはるかにすごいという意味で)人たちがゴロゴロいることを知りました。また、新しい技術(最近では、Windows Azureの新機能リリースやASP.NET MVC4が中心)に触れる機会が一気に増えました。ブログも自分なりに真面目に書くようになりましたし、勉強会などで発表させていただく機会が何度かありました。おぼろげにVBを書くことしかできませんでしたが、業務経験なしでもVBがすらすら書けるようになりましたし、C#も書けるようになりました。30を過ぎてから新しい技術に追随していくことがしんどくなるのではなく、昔よりも楽に新しい技術を追いかけることができるようになりました。
また、ゴミみたいな人たちを使って自分が最大できることの半分の成果をあげればいい仕事はつまらないということを再認識しました。そうなると人間欲が出てくるもので、こういう化け物みたいな人たちと新しい技術を使って一緒に仕事をしてみたい、と思うわけです。しかも、客から言われたことを濁目で淡々とこなすSIではない仕事を。ドラゴンボール的にいうとナメック星時代のクリリンレベルの自分が、ギニューさんやフリーザ様と一緒に仕事をしてみたいと考えてみたってことです。今の会社に対する不満は百万個や二百万個はあります、ただ、それは些細な話しで退職のきっかけになったわけではありません、些細なネガティブな理由で退職してもいいことはないでしょうから。それよりも、今の会社ではなくほかのSIではない会社を見てみたいということと、サラリーマン11年目の自分の評価を他の会社から聞いてみたいという思いで転職活動を始めました。
今年のGW前に転職エージェントに登録しました、たまたまGWがあったので履歴書・業務経歴書を書くまとまった時間があったのは非常にラッキーでした。GW明けに転職エージェントに合い、こちらの希望を伝えました。
- PM・コンサルではなく、エンジニア職
- SIerではない会社
- C#, ASP.NET
- Windows Azureとかあったらうれしいな
すると、この条件に合う求人はほとんどないんですよね。「SIerじゃない」という条件の時点で、求人条件はほぼLAMP系になります。思わずTwitterでつぶやきました
「ASP.NET / C# / Windows Azureの求人なんて存在しないze!」
「みんな!転職するならLAMPのスキルを身につけよう!!」
そしたらMSの中の人にDMでフォローされました(笑) 仕方がないので条件に完全に合致しない会社も応募しましたが、案の定、求めるスキルと職務経歴が合わない会社は書類選考で落ちました。面接は選考というよりもほぼ勧誘でした。これまでの業務経歴を簡単に説明することと、向こうからのいくつかの質問に答えるだけで勧誘が始まりますw これからこういうサービス/ビジネスをやっていくから、こういう仕事をして欲しいとか、「フレームワークのソース見る?」とか、採用面接に来ただけの人間(機密保持契約結んでない)にこんなことまで言っていいの?とこっちがドン引きになるくらいでした。自分くらいの年齢の人ってどの会社でも不足してるんですね、世代的には団塊Jrよりも下の世代なのでそんなに多くはないですけど、今の20代に比べれば少なくはないと思うんですが。みんなどこにいるんでしょうね。どの会社も20代後半~30代半ばくらいで指示しなくて黙っていても仕事ができる人って足りないし、欲しいんですね。ちなみに、履歴書・業務経歴書にはざっくりとこんな内容を書きました。
- 経験年数10年(リーマソ11年目)
- プロジェクトリーダーを担当することが当たり前ですが何か?
- ASP.NET, C#できますけど?(たぶん...たぶんできると思う...)
- 新しい技術好きです、個人的にはASP.NET MVCアツいです
一部経歴を詐称していますが...(だってC#の業務経歴ないんだもん(´・ω・`))できないことを「できる!」と言っているのではなく、できることを「できます!」といっているので(自分の中では)問題ないと思っています(`・ω・´)キリッ。いくつかの会社はとんでもないスピード感で採用を進めてきます、面接が終わって帰宅途中の電車の中で結果通知のメールが来ます。実際には転職エージェントを通じてメールが来るので、面接後すぐにエージェントへ結果を通知していることになります、あらかじめ結果を用意しておいたんじゃないかと思うようなスピード感です。しかも「明日、来れますか?最終面接になります」と。その上、最終面接も帰りの電車の中で結果通知メールが来ることがありました、内定通知書付でw もう、絶対面接前に用意していたとしか考えられませんw 現職(もう退職したので、正確には前職)の会社だったら何度も会議して決めるんでしょうねぇ(遠い目)、どの口が「ビジネスのスピード感を高める」とか言ってるんでしょう...おっと、すみません、愚痴になってしまいました。
転職活動を始めてみたら、2週間くらいで最初の内定がもらえて3週間で応募した会社の全ての面接が完了しました。2001年の新卒採用試験ではかろうじて1社からのみ内定をもらえたのですが、11年後には3週間で3社から内定が出ました。で、そのうち採用のスピード感が最も早い会社に決めました。ASP.NET+C#でのアプリ開発エンジニアという職種になります。
明日から
「わたしの戦闘力は530000です」
という人たちと仕事ができると思うと、本当、ドキがムネムネします。自分ドMなので、フリーザー様のように「このクズ野郎!」とか「この虫ケラが!」と言われるとうれしくなってしまいます。
そんなにたくさんの会社の中を知っているわけではありませんが、SIerって能力のある人にはしんどい環境だと思います。自分が転職することを決めたせいか、濁目・社畜自慢をしている人を見ると「会社辞めればいいのに」と思ってしまいます。会社のグチであったり、「オレはXXXXがやりたいんだ!」と主張する労力よりも採用面接を受ける労力のほうがよっぽど小さいですよ。経験や能力が本当にある人であれば、転職先を選べる環境にあると思います。
7月後半は毎日前の会社の送別会でした、毎日二日酔いで昼間も酔っ払った状態だったかもしれません。10年でいろんな部署をたらい廻しにされたため社内の知り合いが(辞める直前の部以外では)多く、直接会ってごあいさつできない方も何人かいらっしゃいました。送別会では絶対転職先の話題になります、転職先や職種について説明が面倒臭いので、転職先について
「Gで始まる(.NET界隈では)有名(だと思う、ソーシャルアプリを作っている)企業」
と説明して勘違いさせたり。
「次の会社でもSE?」とか訳の分からないことを聞く人もいるので
「次の会社ではピージーです。(`・ω・´)キリッ」
と適当に答えたこともありました。ごめんなさい。
// 自部署の送別会よりも常駐している顧客先での送別会のほうがたくさんの方が参加するのは、よくある話ですよね。
このブログについてですが、平日昼間に満たされない思いをぶつけて書いていました。今後、平日昼間にエンジニアとしての自分が満たされることがあればこのブログは更新されないかもしれません。